撚糸工程の元となる数種類の漁網用原糸約100トンを倉庫に常時保管しています。すべてが合成繊維です。
まず、複数本の原糸を引き揃えて合わせる作業を行ないます。ここで複数本の糸がきれいに揃っていることが非常に重要です。合わせる糸の種類は用途に応じて変化させます。
下撚りとは、初めに単糸にかける撚りのことで、合糸された数本の単糸に、右撚りを掛けて1回目の撚糸にします。
下撚りされた糸をさらに数本合わせ、左撚りを掛けて漁網用撚糸を完成させます。
完成した撚糸は、スプールに巻き直し、次の編網工程で使用可能な状態にします。
仕上げ巻きした撚糸完成品を倉庫に保管します。この数種類、約100トンの常備在庫の大半は次工程である編網工程で使用しますが、一部については撚糸製品として出荷しています。
「管巻機」を用いて編網本機に組み込む管(くだ)に撚糸を巻き付けます。製作する網地の糸の太さに合わせて撚糸を巻いていきます。
撚糸を巻いた管を編網本機のシリンダーにセットします。本格的な編網工程に入り、撚糸2本を撚り合わせることで、結び目のない強靭で美しい無結節網地に編み上げます。
編み上がった網は、熟練した検査員により網目の並びや揃い具合、糸のホツレ等、細部に至るまで厳しくチェックされ、編網不良があった場合には、直ちに手作業で縫製補修を施します。
完成した網を圧縮整形します。ポリエチレン系と塩化ビニリデン系の網は、この熱湯加熱乾燥機を通します。
ポリエステル系の網はこの180℃の熱風加工機を通して圧縮整形します。
加熱整網を経て完成した製品は、速やかに親会社へ納入されます。